・魔法少女まどか☆マギカ #7 「本当の気持ちと向き合えますか?」
「自分のために生きていれば何もかも自分のせいだ。
誰を恨むこともないし後悔なんてあるわけがない。
そう思えば大抵の事は背負えるもんさ」杏子とさやかの哲学的な対立が綺麗に描けていて面白かった。
とはいえ、さやかの弁は哲学というにはあまりに乱暴で強がりとしか思えない。
これからの人生では自分のために能力を使うべきだという杏子の論に対して、さやかは
「じゃあ、なんであんたは私にアドバイスするわけ?」と切り返し、杏子も言葉を詰まら
せるわけだけど、(実は)別にこれは利己主義に矛盾していないし反論になっていない。
自分の幸せを追求するうえで、他人の幸せが巡り巡って自分の幸せに繋がることもある
というのはあのwikipediaにすら書いてある利己主義のスタンダードな考え方の一つだ。
杏子がさやかを見てられないから彼女のために何かをするというのは、自分自身の
ためにもなっている。さやかの切り返しに論理的に対応できてないのは、歳相応の
自己理解でむしろ可愛いとさえ感じたw
魔法少女になって色んな過程を辿った今でも彼女は凄く人間的で、見ていて安心感を
覚えさせる。自分の運命と上手く折り合いをつけて生きていこうという気持ちがあるからだ。
登場時いかにもなヒールで浮世離れした思想を持つように感じられた杏子が、この展開で
本当は誰よりも人間くさいんじゃないかという印象へと変えられた点は凄く面白かった。
「私は人のために祈った事を後悔していない。
その気持ちを嘘にしないために後悔だけはしないって決めたの。これからも。」
「私はね、高すぎるものを支払ったなんて思ってない。
この力は使い方次第でいくらでも素晴らしいものにできるはずだから。」
一方さやかの反論。既にこの話数内でも破綻が出てくる。
ここから先は作品視聴していて自分が感じた問題点。
魔法少女になり魂の在り処が変わる事がそんなに悲劇的なものだと思えないんだよなぁ。
結局さやかが情緒不安定になる原因がこれで、ストーリー上非常に大きな意味をもつから
これがピンとこないと没入感に影響しちゃう。6話時点でショック受けてた杏子が7話では一応
受け入れてたので、この作品中でもさやかやまどかのようなリアクションが一般的ってわけ
でもないんだろうけど。結局自分がこの作品を見ていて一番思うのが、本気で生きてほしい、
生にがむしゃらにしがみついてほしいという事で、それを実践するキャラは好きだし、
しないキャラは中々好きにもなれないし理解の範疇からどんどん外れていっちゃう。
ちなみにほむらは他人に対してそれを願っているだろう事がなんとなく最初から分かって
いたので(1話妄想)、自分は前半部からほむらに感情移入していたって話です。

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